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2022/07/28
藤井寺店 閉店のお知らせ
閉店の理由と今後について
ご覧いただきありがとうございます。
餃子屋本舗 二代目 楠祐哉です。
この度、餃子屋本舗 藤井寺店は二十年の歴史に幕を閉じることになりました。
ディナー営業は2022年9月24日まで行います。(月 / 火 定休)
長きに渡りご愛顧いただいたことを心より感謝申し上げます。
閉店の理由ですが、長引くコロナ禍で、改装して大きく広げた店舗の維持が負担となり継続が困難な状態になりました。
2年前から、どうすることが正解なのか、私自身ずっと悩み続け、奮闘してきましたが、守り抜くことが出来ず無念に思っております。
餃子屋本舗 藤井寺は、設計士である親友と連日のように徹夜して図面を引いて作り上げた想いの詰まったお店です。
テーブルの素材やレイアウト、ペンダントライトや壁紙、そのひとつひとつにも小さな物語があります。
閉店は私にとって断腸の思いです。
社員と共に工事中の店舗を見て回り『ここから頑張ろう』と誓い合った日も、つい先日のことのように思い出せます。
仮にコロナがなければ、閉店を考えることすらなかったでしょう。
しかし、コロナは新しい芽も生みました。
一度目の緊急事態宣言を機に発売した「冷凍生餃子」は多くの方にご好評をいただきました。
当初は『焼き方が難しい』といったお叱りの声をいただきました。
そこから改良を重ねて、焼き方レシピも何度も書き直し、皮をリニューアルさせ、美味しい餃子を家庭で楽しめるようにと、特にこの2年間は力を注いでまいりました。
その声が人伝いに広まり、現在は阪神梅田本店で私たちの餃子を取り扱っていただくまでになりました。
また、本決定ではありませんがイカリスーパーや京阪百貨店での販売のお話もいただいております。
これはコロナがなければ無かった道です。
新たに芽生えた想い
コロナ禍で通販をはじめてからは、全国の方からも「美味しかったよ」とお声をいただくことも増えました。
そうした声が聞こえるたびに、私たちが積み重ねてきた この餃子を、もっとたくさんの人へ届けたい、知ってもらいたいという思いが高まってきました。
この新しい芽を大きく育て、またいずれ、この地へ戻ってこられるようにと願いを込めて、藤井寺店を閉店させ、阪神梅田本店からもほど近い、大阪の中心地「堂島」へ小さな拠点を設けて、再スタートを切る決断をいたしました。
新しい拠点では、しばらくは店内飲食を行う予定はありません。
最初は冷凍生餃子の販売と通販を中心に行います。
ですが、私はもっともっと新しい餃子を作りたいし、もっと餃子の可能性を追求したいと考えています。
だから、いずれ時期が落ち着いたら、今の餃子屋本舗をさらに昇華させたお店をやりたいと思います。
藤井寺店を懇意にしていただいていたお客様には誠に申し訳ございませんが、閉店を決断するまでには以上のような理由がございました。
応援していただいた気持ちを裏切る行為をして心苦しいのですが、どうか、ご理解いただけると幸いでございます。
餃子屋本舗の冷凍生餃子は通販や阪神梅田本店でもお買い求めいただけます。
また、少しずつ購入できる場所も増やしていきますので、今後ともよろしくお願い申し上げます。
ありがとうコースと新作餃子のお知らせ
実は休業期間中に新作餃子を開発していました。
メニューブックに掲載することは叶いませんでしたが、どれも自信作なので、一度でも味わっていただければ開発者としてこれほど嬉しいものはありません。
新作餃子1.「白玉生地のカリもち食感、とろとろ角煮入り揚餃子」1個280円
外は軽い食感のカリもち生地です。
白玉粉に鰹と昆布の一番だし、干し貝柱と干しエビのネギ油、白酒と呼ばれる中国の香り高い蒸留酒、てんさい糖を加えて生地を練り上げています。
中の餡は中国の角煮である東坡肉(トンポーロー)です。
控えめに八角と花山椒の香りをまとわせて、鰹と昆布の一番だし、井上本店の濃口醤油、アワビソース、玖瑰露酒といわれるハナマスの花の香りがする中国酒を加えて、ふっくらやわらかく豚バラを炊き上げました。
豚バラは炊くまえに360度をカリっと鉄鍋で焼き上げて旨味を引き出しています。
ほんのりと甘いカリもっちりの生地からはスパイスの香りが程よく利いた甘辛い角煮がトロっと現れ、生地の甘さと絶妙にマッチした甘じょっぱさを楽しめます。
1個280円でご注文いただけますので、ぜひ、最後の新作をお楽しみください。
新作餃子2「気仙沼産フカヒレスープ餃子」1個1,500円
広東料理の伝統的な点心「フカヒレスープ餃子」です。
非常に手間暇がかかるため日本でも本場 香港でも提供する店は多くありません。
新たな餃子屋本舗の名物にしたいと秘密裏に開発しておりました。
最大の特徴は女性の握りこぶしほどはある餃子の大きさです。
生地は卵黄を練り込む卵生地で、天然酵母を練り込んでいます。
ぷりん!と腰のある弾む食感が特徴で、それでいて極うす皮に仕上げました。
よく見ると中身が透けていますね。
中には驚くほど気仙沼産フカヒレがたっぷり。
しかも、元々ほぐされたフカヒレではなく、尾びれを姿のまま仕入れて贅沢に使っています。
尾びれは、上湯スープと日本の高級たまり醤油を合わせて低温調理して味を含ませています。
包丁でぶつ切りにしたり、ほぐして繊維にしたり、色んなフカヒレの表情を感じられます。
また、尾びれならではの繊維の太さ、ぷりぷり感が沢山味わえるのがこの餃子の醍醐味です。
また、フカヒレ餃子の中にはアクセントとして、広東風の自家製チャーシュー、煎った松の実、甘酢に漬けた みじん切り生姜、紹興酒で炊き上げた どんこ干し椎茸が忍ばせてあります。
もちろん、フカヒレがメインなのですが、この餃子の一番の魅力はなんと言っても極上のスープです。
高級素材 金華ハムから煮出す「上湯スープ」にフカヒレの旨味を重ねて仕上げています。
よくフカヒレは味が無いと言われておりますが、実は非常に深みのある濃厚な旨味を持っています。
しっかりと丁寧に下ごしらえしていますから臭みはなく、上質な旨味を存分に感じていただけると思います。
「気仙沼産フカヒレスープ餃子」は1つ1,500円です。
一見高く感じるかもしれませんが、尾びれの姿煮ですと5,000円はくだりません。
この餃子にはフカヒレがぎっしりと入っているので、とてもお得です。
「ありがとうコース」おひとり様3,900円
最後に私たちの餃子を味わっていただきたいと、12種類の餃子を1回で楽しめるお得なコースをご用意いたしました。
通常は5,000円の内容ですが、感謝の気持ちを込めて3,900円でご提供いたします。(ご注文は2名様より承ります。)
新作餃子1.のとろとろ角煮入り揚げ餃子もお楽しみいただけます。
もちろん、フカヒレスープ餃子を追加することもできます。
【コース内容】
・完熟アボカドのディップ トマトスライス重ね・超うす皮だし入り餃子
・たっぷりしそ – 超うす皮だし入り餃子
・北海道産ホタテ貝柱のだし入り焼餃子
・もちぷる食感 ! 天然大海老と「しそ」の蒸餃子
・霜降りロース豚肉の「香味」老麺水餃子
・世界のトリプルチーズ揚餃子
・ポルチーニ茸と白トリュフの濃厚クリーム揚餃子
★新作★白玉生地のカリもち食感、とろとろ角煮入り揚餃子
・愛媛県産ヤリイカの蒸し餃子
・越冬ゆりねと天然大海老の椎茸あんかけ揚餃子
・鰹と昆布の一番だし香る「和」シューマイ
・「極うす皮」小籠包-金華ハムスープ仕立て
・舞茸としめじの蒸籠ごはん
・選べる高級ジェラート
閉店の時期は9月中頃を予定しており、正確な時期に関しては改めてお伝えさせていただきます。
ご来店をお考えの方は、コロナ禍で人手不足もあり席数を制限しておりますので御予約をオススメいたします。
限定メニューをご希望の方も一度お電話でお問い合わせいただけると確実にご用意が可能です。
まだ閉店まで少しお時間がありますので、最後まで餃子屋本舗のこだわり餃子の数々をお楽しみいただければ嬉しいです。
長文になりましたが、ここまで読んでいただき本当にありがとうございました。
餃子屋本舗 二代目 楠祐哉
この記事を書いた人
餃子屋本舗 二代目店主。中華料理店の長男として1986年に生まれ、幼い頃より厨房で遊びながら料理を覚える。元々はジャズのプロベーシストだったが、リーマンショックの影響で経営が傾いたことを機に跡継ぎに。音楽への情熱を餃子に全て注ぎ、自分だけの餃子を目指して日々奮闘中。頭に浮かぶのはメロディよりも味覚の方が発想豊かだと気づき、近頃は餃子が天職だと感じている。(Twitterでは試作の様子をリアルタイムでつぶやいています)